月別アーカイブ: 2006年11月

虚栄と絶望

休み明けのニューヨークは物騒な事件からはじまりまして、丸腰の人間の
乗った車に私服警官が50発打ち込みまして、その被害者は翌日結婚式を
控えておりまして、あまりにも残酷な話しでございます、撃った警官は
ベテランの白人でありまして被害者は黒人であります。おりに人種問題に
発展しております、どう言い訳しようが、明らかに殺すのが目的だった
と思われます。こんなアンポンタンな人間が居ますとベテランという
意味がかすれて、消えてしまってしまいますねえ。

そんな話しはさておき、ニューヨークのサンクスギビングの
休日中に自殺がありましてっとまた暗い話しなのですが、これが
少林寺の坊さん2人なんです、これまた珍しいと笑い事ではありませんが
基本的にアメリカ人はあんまり自殺しません、それは日本人と比べるに
「まあええわあ〜」のキャパが広いものだと思われます、それとあくまで
楽天的で開拓精神が根付いていると思われ、個人主義によりあまり
しがらみがないのでしょう「明日は明日の風が吹く」
“tomorrow is another day”なのです。

さて、少林寺僧はこちらの中国人にあまり人気がありませんです。
っと自分の知り合いの中国人が、ただ嫌いなのかもしれませんが
「あいつら、肉は喰うわ、酒飲むは、嫁がおるのに、愛人おるわ
あんなもんのどこが、僧や」っとひがみ半分で憤慨しているのです。
ここでいう少林寺僧というのは武術の先生の少林寺僧なのです。

なんせ、めっちゃくちゃ中国の田舎から出て来て、それまで武術一本
修行してきた人間がいきなりニューヨークでございます、それが
武術の先生をするのです、武術の能力は卓越しております、モテないわけ
ございません、並のチヤホヤ度と違います、めちゃくちゃモテるみたいで
ございます。ワタクシと大違いでございます、ニューヨークのメディアも
こぞって特集いたしますので生徒もガッパガッパ入って来るわけです。
文字通り坊主丸儲けなのでございます。
ちなみにワタクシは「地球の歩き方に」こっそり載りましたが
その恩恵が、いまだ発揮されてないように思われます。

いうなれば彼らは浦島太郎が中国からいきなり竜宮城に行った感じなのです
その上この浦島太郎、並の太郎ではございません、絶倫太郎でございます。
嫁がいるうえに、生徒に手を出し三角関係が八角関係となり、まさに
武術教室は修羅場になっていったようです、である少林寺僧は首をつり
もう一人の方はビルから飛び降りましたが、惜しいかな足腰を鍛えに
鍛えあげたようでして両足粉砕骨折にて死なずに中国に無事帰国した
ようです。身体を鍛え上げた武術家には、飛び降り自殺は
向かないようです。

ニューヨークの中国の新聞の三面記事より

真夜中のエリアル(側転)

夜中の1時頃に一本電話が入ってきました、友人の加世田座長から

加世田座長「明日エリアルしてくれない?」

タカシ「いきなり、なんの話しや?」

事の発端は、お昼に加世田君にかかって着た電話です。
明日、コマーシャルの撮影するので「夜露死苦」とのことです
ニューヨークにある日系の旅行会社なのですが、こちらの会社が
ゲリラ撮影的なコマーシャルを毎回作っておりまして、それの
話しが加世田座長率いる”Spinnin’ Ronin“にまわってきたようなのです。

先方曰く
「ウチはだいたい出演するのにお金をもらってるけど今回は無料でいい」
とのことで、非常に小賢しい言い方ではありませんか、まるで村上ファンド
の様であり、カチカチ山に出てくる狸の如しなのです。この旅行会社は
何でもコマーシャル出演者募集にかこつけ出演料をまきあげていた
ようなのです近江商人も真っ青の経営方法でございます、ある意味経営者の
鏡のようなのですが、そこはニューヨークあまくございません、誰がすき
好んで金出してゲリラ撮影の旅行会社のコマーシャルに出演しようと
思うのでしょうか。

「客の前では汗は拭いてはいけないよ、一粒一粒がチップになるのだから」
以前ニューヨークで肉体労働していたときの年上の方からの至言です。
ですので自分は汗を滴らせて客の前で大きな家具やら運んだ次第なのです
とそんな生き馬の目をぬくような街にやんわりした人間がいるのかと
いぶがしがりますが、僕の友人の加世田君をのぞきましては

昼、夜働いてその合間に舞台の稽古をして、そして振り付けをして
武術をして、それはそれで大変なのですが、その旅行会社も人の弱みに
つけ込んでノーギャラとはいかがなもんでしょうか、しかも電話で
明日のお昼と人を喰ったような日程なのでございます、旅行会社のわりに
ひどいスケジュールを組むものだと感心するほどでございます。
ですので早く有名になって一流の舞台人として活躍していただき仕事を
選べる身分になってほしいと切に願っております。

その加世田君のサイトがほぼ出来ましたので上記のリンクから見て下さい。
あとはアクションスクリプトを付け加えるだけですが、加世田君の話題が
出てきましたので途中でございますが、ご報告までに

頑張れ加世田劇団!!! 早く有名になって儲けて!!!

冒頭の電話の会話のつづきですが
「そらあ、明日でなしに今日やがな、それは無理やでえ〜」
っと残念ならがワタクシは不参加でございますが
ウチの何名かの生徒らは呼び出しがかかったようです。
ですので先生からコーヒーをおごりたいと思っております。

ちなみに、そのWEBのギャラですが、皆様おさっしの通り
僕と加世田君はすでに一連托生でございますです。

先生の日

これまた、ご無沙汰の先生の日でございます、ひとえに生徒らの
成長日記と云って過言でない、「先生の日」を書かないとという
ことはすこぶるいけませんです。

金曜の夕方ですが、日が沈むのがおよそ4時半頃と冬本番ですが
今年のニューヨークはそれほど寒くないです。

基本練習は長拳の技が基本でございますが、南拳をがっちり練習
してきた生徒はなかなか抜けません、頭の切り替え同様身体の切り替えも
難しいのでございます、現代武術の基本練功は長拳ですが
いつか基本練功の南拳をしたらおもしろいかもしれません。

軽めにコンビネーションを施し、ジャンプ技へ移行して基本練習を
締めます、冬場での飛び技にて怪我をすればダメージが大きいので
見ている側も気を抜けませんな。

個人練習
長拳、最初の連続ジャンプまで入りましたか、動きはだいたいよろしい
でしょう、基本練習をもっとするようにすれば良いでしょうか。
来週は日本に帰るっていうてましたかな、「成人式で帰ります」って
云ってましたな。

長拳、一通り終りまして、前半の通しです、なかなか我流が抜けませんな
大きい動作と小さい動作の違いが難しいでしょうか、スタミナは良しで
あとは身体の使い方を効率よく動かすようにすれば良いでしょうか。

長拳、最後のバタフライまできまして、来週で長拳が終りますね。
以前は新長拳をしていたので、ひっかかる箇所もなくスムーズに
きているでしょう、目線、肩の落ち着きなど良くなっております。
スタミナ的にも申し分ないですな、あとは柔らかい動作をより
柔らかく、速い動作をより速くここらへんを心がけると良いでしょう。

形意拳、およそ型の半分ぐらいまできましたでしょうか、まだ
身体の感じが長拳ですな、さきほど云いました
「頭の切り替え同様、身体の切り替え」これは云うは易しなのです
これは練習を繰り返ししないとなかなかものにできませんです。

表演の武術にあっては動きの無駄をなくす、これが本質なのです。
特に長拳などはその傾向が強いと思われます。
翻って、伝統武術、特に自分が習った少林六合自然門は
如何に相手を早く倒すか、これを目標において練習をしますので
練習の質が変わるのです、云うならば自己との戦いです。
っと話が脱線しましたが、形意拳は表演というより伝統武術の
実戦方に重きを置いてますので、拳の向こう側に相手思い浮かべて
練習したら良いでしょう。

蟷螂拳、オープニングですが、なかなかむずかしい様です
身体の稼動する箇所が増えるということが、ネックになってる
ようですが、動物の型でもこの蟷螂拳は全身の関節をスムーズに
動かすことによってこの拳が成立しますので、長拳等を練習して
きた生徒には時間がかかるものでありますが、「万里の道も一歩から」
ですな。

白猿拳、通します、これで4週ぐらい通してますかね、まだ背中の
筋肉が固いでしょうか、数カ所ちょっと忘れる箇所があるので
ここを重点的におしえます、動きの途中で「あ、次なにかな」っと
いう顔がなくなったらこの拳が完成するでしょう。

手裏剣2000枚

以前ワタクシ印刷会社で働いていたりしておりました、こちらニューヨークで
です。日本にいた時はもっぱら肉体労働が主でございましたですが、さて
そろそろアメリカではクリスマスパーティー等が行なわれまして、その時に
相手に対してウイットで気の利いた話術が出来ればよろしいのですが
そんな技量はあまりありません、ほぼ武術の練習に明け暮れる毎日だからと
言い訳をしておきましょう。

そしたら、新たにかっこいい名刺でも作ろうかっと安直なワタクシは
思い立つのです。DTP(Desk Top Publish)出身といたしましては
名刺のデザインなどそれほど難しくございませんで、小一時間で作って
しまいます。web designerやしちょっと凝ったものを作ろう思ったのが
失敗だったのです、工場から送られてきたワタクシの名刺を見ますに
「見にくく読めん」状態だったでありました、その昔、印刷屋でボスに

「印刷は刷り上がったのを見てみないと、わからないよ
デスクトップでいくらきれいに見えてもね」

そんな言葉がふと脳裏をよぎるのございました、ですので
名刺2000枚は手裏剣として機会があったらどこかに投げつけて
やりたいと思っております。

師走の足音


「摩天楼」

ごぶさたしておりますです。

ニューヨークのweb業界もそろそろ今年の締めに
入っておりまして、無茶な締め切りの仕事が舞込んできたりし
その合間をぬって武術の練習と先生しております。

昨日も夕方にクライアントと50stのレキシントンAveのビルの40階で
ミーティングをします、このクライアントの母体が全米屈指の
弁護士ファームでして、27階から上全部(60階ぐらいまで)そこの
弁護士の会社が借りているらしく、それやったらビル丸ごと
買ったらええのにっと貧乏人は想うわけですが、また40階の
そのオフィスに入りますと廊下にサンドイッチやらフルーツやらが
並べております、別にお昼というわけでなしにゲストやクライアントが
軽く食べるためのようです。試しにジュリアード(音楽大学)を出た
クライアントのおねーちゃんに、この食べ物残ったらどうするって
聞きますに、「捨てる」っとあっさり答えてくれましたが
彼女は憤慨するわけです、アフリカでは毎日に飢えに苦しんでいる
人間がいるというのに、摩天楼の真ん中ではこんなにたくさんの
食べ物が日々捨てられているのだと、貧富の格差を生む現代社会の
構造と民主資本主義の欠点であると述べます、まさしくその通りで
ございまして、幼少の頃に何事においても「もったいない」と
躾けされた自分に取っては本当に「もったいなあ〜」と想います。

さて小一時間ミーティングをしまして、最後の最後に明日はNY1
(ニューヨークのテレビ局)とミーティングがあるから明日の朝までに
仕上げてっとさっきまでの慈悲深い話はなんやったのかと思いますが
徹夜で頑張るっと書いて「仕事」というのやでっと昔一緒に仕事した
仲間に云うわれたのを思います。

およそ9時間で仕上げまして、朝でございます、テンションが
あがって眠りそうにないので、ネットで将棋をします。それは
まるでJT(ジャパンタバコ)のタバコの嗜好をチェックする従業員が
さんざんタバコを吸ったあげくに、ちょっと一服と外で
タバコを吸うように、チカチカする目で明け方に棒銀急戦模様の
将棋をモニターに食い入るよう見るのと同じようなものでしょうか。