月別アーカイブ: 2008年1月

ニューヨークのスタントチーム

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寒空の日曜日、映画のちょい役でBrooklynまで赴きます。地下鉄に乗って
バスに乗ってきてくれということで、バス停で待っていると加世田君が
おりました、同じ撮影現場に呼ばれておりました、笑

話しは先々週にさかのぼりまして、加世田劇団の俳優の一人から
映画のヘンチマン(Henchman、ボスの取り巻き)に出演してくれとのことです
以前もHenchman役でフィリピンカリの使い手と戦った経験が
ございますが、今回の戦う相手は白人の六合拳使いのようで、ワタクシ
空手ファイターとのことです。

現場につきますと、監督は以前スタントチームに所属していた
ところのロベルトではありませんか、あら懐かしい5年ぶりぐらいの
再会でございます、ニューヨークの映画事情でキック、パンチ、
ワイヤーワークスとなるとだいたいどこがやるか決まってくるのです。

映画の撮影のちょい役などは基本的に「待ち」でございます
待ち8、撮影2といったところでしょうか、工場の倉庫がスタジオに
なっております、寒くて寒くてワタクシのシーン立っているだけと
いうのに腰が痛くて痛くて半泣きでございました。

さて撮影でワタクシと加世田君の武術の生徒が撮影して
おりました、タイミングがちょっとあわなかったのみたいでして
加世田君が何か云っています。

「だから、入る瞬間に片一方が、かけ声をかけたらいいんだ」
っと責任者にしきりと云ってますが、これは舞台の考え方で
映画の撮影の場合二人の動作を合わなければまた
撮ればいいのです、むしろ沢山撮れば撮るほど良いのです
そうすれば編集の時に材料が増えるからですね、まあそれに
我々ペイペイが云ったところで変わらんのです、それが現実ですな。
云って「それは良いアイデアだ」っと相手の監督がいうぐらいに
お互い出世しないといけないでしょうねえ。

さて来週はワタクシの戦うシーン撮影ということで
話しはもうちょっと続きます……………..


宣伝せずは存在せず

先日のポスターはデザインでなくアートだということをいいましたが
後日談がございました。

「ポスターも図柄で不愉快になると勉強になった」と胸に刻みながらも
「JRさんにはご迷惑をかけたが、かえってPRになった」と胸をなで下ろしていた。

とのベタ記事が載っておりました。

デザインの基本はシンメトリー(Symmetry)でございます、俗にいう
「二分割構図」「三分割構図」「黄金比 配置」(Golden section)
例えばミケランジェロの傑作ダビデ像は黄金比で出来ております。
これは人間が無意識に美しいと感じるのです、ですので
男でも女でもスタイルが良いというのは、この黄金比に近いからです。
当然顔にも黄金比がありまして、よく例えで出てるのは俳優の
デンゼルワシントンの顔です、彼の目、鼻、口、輪郭と黄金比を
忠実に表現しております、ですので男前なのです。
ただ顔は時代、時代に流行がございますので、おかめな子も
安心してください、ただ歯並びはきっちりしていた方が良いでしょう。
噛み合わせが悪いとあごのバランスが崩れ黄金比でなくなるからです。

>ポスターも図柄で不愉快になると勉強になった
本気で云っているのでしょうか、ここまで話しが大きくなるのを
見越して、ポスターを製作したのなら「知謀湧くが如し」で
ワタクシ即、弟子入りしたいと思います
ですがこのお祭り最高の宣伝になったのは間違いございません。
広告業は「宣伝せずは存在せず」とよくいいます。

アートと違いまして、デザインは大人から子供まで
目につくというのを考慮しなければなりません。
黄金比率

ダビンチ、「黄金比率」


デザインとアートの狭間で

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先日JRの駅にポスターを貼るのはセクハラだということで
駅側がそのポスターを却下したと云う話しを聞きまして、またどうせ
どこぞのしょうもない女性解放運動のあつかましいおばはんが異議を
立てたのだろうと思っておりましたが、実際のポスターを観まして
これはいけません、ニューヨークでキテレツなデザインをたくさん
見てきましたが、こんな下品なポスターは久しぶりに拝見しました。

まず最初にデザインとは何かという問いに簡単に答えましょう。
デザインというのは多くの人に楽しみを与えるものであり、不快感を
与えてはいけないものです。例えば卍のデザインにヒットラー万歳と
いうのは冗談でもしてはいけません。ただ人間の価値観の相違を
すべてあわせるというのは不可能なことですので、ある程度異論が
出てもしょうがないのですが、このポスターは酷すぎます。
この中央左の上を向いている人間はなんでしょうか、どセンターに
持って来なかっただけ、評価できますでしょうか。

デザインで生計を立ててる人間に取ってクライアントの
デザインバリュー(美の価値観)を見極めるのも大きな要素になります。
例えば、どこかの会社のポスター制作の依頼を受けて沢山のサンプルを
出して、どれもこれも却下され、しょうがないのでそこの社長さんの
アップを持ってきてすんなり決まったという話しは多々あります。
(要はデザインとは何かをしらないということであります)
翻ってこのポスターを観ますに、この中央左の熊のおっさんが
クライアントであったのではないかと勘ぐりを入れたくなりますねえ。

そもそもこれがデザインされたポスターなのがいけません、これが
アートと云い切るならよかったのです。ワタクシの愛読書でもある
岡本太郎氏の「今日の芸術」にこんなセンテンスがございます。

「芸術はいやったらしい」

これほどのいやらしさ、グロテスクで圧倒的な不快感はそうそう
計算されてできません。後ろのふんどし軍団といい熊のおっさん
それと右の目をつむったおっさんこれらの配置、構図、色彩、憎たらしい
ぐらいでございます。これをアムステルダムあたりの美術館に
男だらけの大日本祭りと銘打って個展をひらければ
センセーションになるかもしれません、間違ってもJRの駅はいけません。


チャンスは転がっているか、否か

諺に「田舎の3年、京の昼寝」とあります。
田舎にいるより京都で昼寝してる方が価値があるということですが
ウチの武術生徒らは舞台、役者関係の人間が多いのです。
昼間はレストランで働いておりますして、ニューヨークですので
有名人とよく遭遇するそうです。グリーンディスティニーの監督
アン リーがよくラーメンを食べに来てた、渡辺謙さんが来た
パーティーで宮本亜門が居たっとチャンスはゴロゴロ転がっております。
かく言う私も、小池栄子嬢や松田君(松田優作の息子)藤原紀香嬢に
あって話しをしたりしてます。友人のミクニちゃんもここニューヨークで
坂本龍一氏のパーティーに行ったらBjorkが居て挨拶したと
云っておりました。

「売り込まんかい〜」
とワタクシ、彼らに一喝いたします。名刺がないからあ〜
「作らんかい〜」
とまた一喝でございます。

例えば、アン リー監督に名刺を渡したときに
「明日オーディションだから、来たらいいよ」
って云うわれるかもしれません、そのとき
「僕、武術してます」と何でも云ってしまえばいいのです。
あとはもぐり込んでしまえばよろしいかと思います。

「田舎の3年、ニューヨークで冬眠」

夢を追っている人間は、そんな風に冬眠してはいけません。