「こんな所です」
「一番左が三文役者です」
「横道です」
「ドイツ人とイタリア人と蟷螂拳使いの悪役」
撮りの一本目はオフィスのシーンからです、と云いまして
当然自分は喋りませんが、それはそれで緊張しております
なぜなら一応、アクティングが入っているからんですな
カメラの場所を確認しながら、目線を自然にするように
つとめます、なんでもやり慣れないことをするのは
緊張するもんですけど、楽しいもんです。
午後から場所を変わりまして、工場での戦いのシーンです。
ようやく自分の土俵で勝負できますので足取りも軽いのです
戦いのシーンは雑魚キャラ、中ボス、大ボスと3人と戦います。
まず雑魚キャラですが、敵の左右のハイキックを
軽く受けて、最後に南拳の技でぶっ飛ばしまして、胸ぐら
掴んで膝蹴りを入れて、殴りつけます、気分はすこぶる良いです。
長かった撮影で一番いきいきしていた瞬間だと思われます。
中ボス、こちら女殺しやです、こちらも敵の左右のミドルキック
から入ります、今思うに雑魚キャラとの入りがかぶってますな
少し工夫をしてもよかったのではないかと思いますが
自分は振り付け師でないので、まあしゃあないですな。
こちらも軽く受けて、バタフライキックで避けます
バタフライツイストという選択もありましたが、コンクリの上
っということと、ツイストはあまり見栄えがしないので
無難にバタフライが正解でしょうか、キックを避けたところで
パンチです、こちらは翻子拳の技をいれます。
最後は大ボスです、Langって奴ですがNYPD(ニューヨーク市警)
で武術を教えてた元ギャングです、得意な武器はバタフライナイフで
ギャングスターラップを歌う人間ですが、武術のスキルは上等の
部類にはいるでしょうか、ここからのシーンはジャケットのぬいで
ガチンコで戦います、顔は殴りませんけど、顔以外は本気です。
昔、舞台で加世田座長とファイティングセットをしたあのノリです。
蟷螂拳で相手の首筋、脇を突きます、相手のパンチを受けて
今度は形意拳の崩拳で水月辺りを思いっきり突きます。
ここまでは序盤です、中盤から形勢が逆転していきます
パンチをお互い交わし掴まれて投げ技が入れられます、投げと
同時に腕を取れて、腕肘逆十時を極められ、何とか立ち上がった
ところを改心のローリングソバットを入れられて、悪役蟷螂拳
使いの自分は再起不能で終了です。
いやあ〜、思えばちょい役やからっといって始まった撮影も
終わり、まっまあ楽しかったですな、来週から日曜日は
やっぱり昼間で寝ましょうかあ、土曜の夜は寝酒をなめながら
藤沢周平の用心棒シリーズを読むのが今から楽しみですな
それは一時の至福の時間なのです。