「計算でお待ちの番号札◯◯番のお客様、準備ができましたので……」
初夏に阪◯道路で拾った指輪のケースを、そうそうっとお盆の終わりぐらいに
ツレと「売ります買います」の店に行きます。
日本に帰国して間もないワタクシです、どこに売れに行けばいいのか
皆目わかりませんで、訪れたのは怪しげな日常品店です
入り口のうたい文句は「金、プラチナ買い取り強化月間」
うさん臭いこの上ございません。
「計算があんまりにも早いの違うかあ〜」
「こんなゴミ持ってきれくれるなあっていうわれるの違うかあ〜」
っと俺のツレは畳み掛けます。
ですがワタクシのニューヨークの友人にジュエリーデザイナーが
数名おりまして本物の金の指輪などさわった経験があります。
「こっちが24金でこっちが18金、な重いやろう」
ってな感じで、それから世界の金相場や銀相場についても
話を聞いておりました
「最近、銀があがって商売にならない」等の
そんな程度の知識はございます、無いより良いでしょうか
ワタクシの素人目利きが見積もって結構重たいので
ええ値段するの違うか、「鑑定団の壺のおっちゃんバリに」
目利きしますも、今まで苦渋を舐めてきましたので、即座に
現実は甘ないやろう、5個で3000円もあれば御の字やな
っと帰りに「王将」おごって、ガソリン入れたら万々歳やなっと
ワタクシのCPUが、おりに帰りのコース設定もほどこしておりました。
買い取りカウンターに佇む、おっさん二人
「39000円になります」
目をぱちくりさせる、おっさん二人
「39000円になります」
イヤらしい笑いを抑える、おっさん二人
「39000円になります」がこだまします。
震えた声で
「検討させてもらいます」
精一杯の虚勢であります、おっさん二人が
見苦しいほどあたふたした瞬間であり、ワタクシの
CPUが想定外と弾き出して煙が立ちこめたのです。
それから数日は日本経済新聞と金相場の睨めっこであります。
外国為替と世界経済の動向による金相場の流れ
このあたり、マジでありました、new york timesの新聞を
辞書を引きながら読んでいきます、なんせ文字通り「金」が
かかっております。5件ぐらい買い取りの店にいきまして
24号線沿いの東◯書店が一番高かったので
金相場一番跳ね上がった日にいきまして
チーン
50700円
成りでありました。
ツレの家族とチーズホンデュを食べに行き
それから嫁に何かほしいのあるかと聞きますに
「生活費」
生々しい返答でありますが、お盆は仕事がお休みでしたので
それの穴埋めでございました、リアルでありましたが
チャンスというのはそこらに転がっておりますよ。
ニューヨークでスター目指して頑張ってる皆
チャンスはここより転がってるのやから
奈良でさえ5万円程度はそこらに転がっております。