Chapter 2「力を抜いて、力を入れる」

「力を抜いて、力を入れるということ」

多くのみなさんは、運動の経験があると思います。
その指導者たちは「力を抜け」「力を抜け」と云ったと思います
さて厳密に「力」とは何でしょうか。

写真に描かれている点、おへそのおよそ4cmから5cm下で
およそ4cmから5cm中に入った地点を丹田といいます。
この丹田という箇所が力の源であり、身体の中心なのです。
東洋思想でここに食欲、性欲が宿っていると考えられてます

緊張や疲れた時に武術の型でポーズを取ったときに
肩に力が入る場合が多いです。このとき「力を抜いて、力を入れる」
と注意しますのは肩の力を抜き、丹田に力を込めろという意味でいいます。

さて丹田がなぜ重要かといいますと、それは上半身と下半身の
連結部分であり、ここに力が入ることによって、全体の安定が
保たれるのです、肩に力が入りますと、上下のバランスが取れず
安定が悪くなり、そのうえ初動の動作からぎこちなくなります。
ですので緊張すると深呼吸すると良いとされるのは、横隔膜で
呼吸することによって、より多くの空気を取り入れ、血流の流れが
良くなり肩の緊張を緩和させ丹田まで新鮮な空気を運ぶからです。
(武術の呼吸法で爆発呼吸というのが2種類ありますが、これは上級者向け)

それから多くの指導者で理解していない人が多いのは
身体の中心(丹田)が動きの原点になるということ
地図で例えれば現在地がここ(丹田)なのです、行き先は
力が向かう方法なのです。ここを基準に動作の善し悪しを
判断しないといけないのです、そもそも「美しい動作」
について抽象的な表現をする指導者たちはこの基準点が
わからないので説明の方法がないのです。

さらにあらゆる動作で故意以外で肩に力が入ってはいけません
肩に力が入ると身体の重心点が変わり、それによって安定を欠く事によって
なめらかな動作が出来きなくなります。同時に肩に力をいれると自然な
呼吸の妨げになるのです。上の「力を抜け」というのは肩の力であって
力を入れるのは丹田でございます、丹田に力を込めると上下半身の
安定が出来き、同時に呼吸の安定に導くのです。

練習用法としまして、内家拳の基本練習を
朝夕練習するのが良いでしょう、八卦掌、心意拳、太極拳などの
基本練功を行うことによって力のコントロールを高めましょう。