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Chapter 7「最上のコンディション」

伝統武術の内面の思想概念は三カ所あります。

一つは眉間の箇所、「意」三番目の目とも言います。
二つはみぞおちの箇所で「心」
三つは丹田で力の源で「気」

最初の「意」と三つ目の「丹田」がひもで結ばれていて
その丁度中間に「心」があると考えられます、動揺すると心が揺れます。
揺れる想いというのはこの現象のこと指します、緊張や動揺すると
この「心」が揺れ動くのです、最上のコンディションはこの「心」が
全く揺れない状態を言います。

東洋の武術家、特に(注)日本の剣術家は禅の思想を取り入れ訓練を
します、この訓練は「心」の訓練であります、これは意識を排除を
するという訓練であります、この意識とは「観る我」「妨げる我」
これらは自己の行為の是非善悪を判断する監視者ですが、これを
取り除く努力をするのが武術家における禅の修練であります。

簡単に例えば、あなたがトレーニングジムで重いベンチプレスを
挙げているとします、そのときに鼻水が足れているとしましょう
このとき恥ずかしいと思うのは自分が自分を外から観て、その状態
(鼻水が流れた状態)に羞恥を覚えることです、ベンチプレスを挙がる
(身体を鍛える)という主旨から離れたことになります「妨げる我」が
発生したのです。

もう一つ例えをいれましょう。
目的に近接する爆撃機の搭乗員は、いよいよ爆弾を投下すると
いう前に、「無我の汗」をかきます。彼は「自分がしている」という
意識しません。彼の意識からは傍観者としての自我は全く影を
ひそめてしまいます。他のことは一切気を取られずに、一心に
敵機の動勢をうかがうのです、その一方で迎え撃つ高射砲の射手も
また同様に「無我の汗」をかくと言われます。こういう状態に
置かれたいる人は、以上のいずれの場合においても
最上のコンディションにあると考えられる。

現代武術の大会で長くても3分のデモンストレーションです。
体調、身体のコンディション云々より
「心」が全く揺れない状態にして挑まなければなりません。
その状態に入りますと周りの雑音が消え、自分の息づかいが
聞こえてくるでしょう。

訓練方法は、最初に「意」のトレーニングからします、対象物を意識し
正しい呼吸を行います、このとき太極拳の呼吸法を取り入れて行われるのが
一般的です。そのあとは対象物をなくしての呼吸法、のちに
各五感の消し方と強調の練習をしていきます。単純に
座禅等もよろしいかと思います。

注、柳生宗矩、宮本武蔵、山岡鉄舟、剣禅一如を目指し禅を修養しています。
自分の祖父も昭和の始めにやはり剣術修行で福井の永平寺で修行しており
昭和初期ぐらいまでは剣術家は禅の訓練を重視していたと思われます。

このChapter 7で「動作の美しさ」関連は終わりです。
もう少し、多筆や修正するかもしれません。
全Chapterをよく読むようにすれば「動作の美しさ」を
多少理解できるのではないかと思います、当然現代武術の
練習を合わせなければ、あまり意味がありません。

批判と評価

まだ理論体系が十分でないのを把握しておりますので
批判や評価があれば、おかまいなく連絡して下さい。

主に現代武術の用法で書きました、次回は実践武術での
理論体系を書く予定です。

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Chapter 6「リンクとリズム」

「リンクとリズム」
現代武術には様々な型があり、型とは動作が連続する様を云います。
(型は動作の停止での始まり、動作の停止での終わり)

型に入りますと、一つの動きが終われば、すなわち次の動作の始まりになります。
これは動作がリンクされた状態であります、あたかも湖面に石切するような
波紋の連続と映像化すればよろしいでしょう。この一つの動作が終わったあとの
刹那の瞬間、次の動作(呼吸を含めて)が開始します。
丁度その刹那は波紋と波紋の「間」それがリズムになります。

例えば、前に生徒がこう聞きました。
「長拳のこの箇所はどれくらい停止するのですか」

「41秒の地点」

型の途中での停止という認識は間違いです、この場合次の動作への準備と
解釈しないといけません。このあとの動作はジャンプフロントキックから
トルネードキックに繋ぎます。どちらの技もジャンプの最高点でのキックで、動作の
負荷が非常に大きいのです。ですので飛ぶ準備が必要であり、終わった「48秒の地点」
ここで呼吸を合わせて、次の動作に繋げるということです、ここで仮に呼吸を
合わせずに動けば、次の動作または次の動作で負荷がかかり全体のリズムが
前のめりになりリズムが崩れます。

ですので質問の答えは
「行けるなら、行っていい」となります。
これは個人の運動能力によって違いますので、飛ぶ準備が出来たら飛んで良いと
いうこと、次の動作がきっちりいけるなら行っていいですよっと意味です。

現代武術の講師で良く見かけるのは、何でもかんでも「速く動け」と
云う人間がいますが、これは間違いです。前の動作、その次の動作を
ふまえて速く動くべきかそうでないかと説明しなければいけません。

ここでリズムが良いというのを説明しますと、すべて型のピース(長拳なら48ピース)
を円滑にこなす様であり、速い動作のピースはより速く、ゆっくりした動作は
よりゆっくり動くようにすれば、その型自体が一つの流れになります。

伝統武術の太極拳では、その型を長江の流れで例えるのは一つの事例であります。

動きのリズムの善し悪しとしまして、最初にその動作について良く考える
ということです。この動きにどんな準備が必要か、このとき停止するのではなく
準備するのだと理解しなけばなりません。大きな負荷のかかる動作の前には
呼吸を合わせないといけません、あたかも水面に飛び込む感じであります。
このリズムに関しても先ほどChapter 5「なめらか動きと」と合わせて
考えるようにすればより良いでしょう。

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Chapter 5「なめらかな動き」

「なめらかな動きとは」

伝統武術では1000回同じ型の練習をするのを第一段階とします。
現実に1000回以上繰り返し練習した型は自己の意識から離れます。
厳密に意識の水面下で動作が動くようになります、この場合
身体の筋肉がその動作を記憶したと理解して良いでしょう。

翻って、動きがなめらかでないのはなぜかといいますと
その動作にたいして思考しながら、動く様であります。
この場合どうしても、思考して筋肉に動作を命令する「時間」
この「時間」分、動作が停止してします、端から見ればそれは
一目瞭然であり傍観者はその動作の不自然さを察知します。

上手くなろうと思えば練習しないといけません
それは至極当然なのですが、一つの型を1000回
これが目安です、それから個人練習では必ずゆっくりした
動作を行うことにしましょう、なぜなら自己の判断で
修正出来にくいからです、なるべくゆっくりするように
心がけましょう。

宮本武蔵「五輪の書」の中でも
千日の修行を鍛と云い
万日の練習を錬と云う
のは著者が動作について深い理解力があったのだと
推測されます。

練習方法としまして、新しい型を覚えたら
繰り返し練習するのですが、1日10回を目安で
3ヶ月で丁度1000回ぐらいです。

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Chapter 4「アライメント」

「アライメント(整列)」

話は少し飛びまして、デザイナーの世界では構図と配置と色彩を
重視しバランスシンメトリー(Symmetry)がもっとも大切であります。
これは古今の東西文化共通しております。(注、日本文化は特殊)
それら俗にいう
「二分割構図」「三分割構図」「黄金比 配置」
何やらややこしい用語が出てきましたが、様はアライメント
(整列)であります。

話はまた少し飛びまして、ハリウッドスターは
なぜ美男、美女か知っておりますか、それは顔の黄金比率でございます。
黄金比率


写真では

アライメント(姿勢)が直ったあとです、赤線が
膝頭でここに鼻が出るとアライメントが崩れます。

身体の中心部は丹田であり人間の縦のラインは背骨で
横は左右の腰骨を一直線で引いたラインであります。
この縦横のラインのバランスが崩れると美しい動作もしくわ
美しい姿勢から離れるということであります。

ここでわかりやすく、例えを入れておきましょう。
長拳ですが、41秒の地点、バランスに入る前ですが
ここでアライメントが崩れてます、鼻が膝を越えております。
なぜ崩れたかといいますと、前の動作のフロントストレッチキック
のあとに力を解放しないから次の動作で誤差が生じたのです。

バタフライキックであろうが、エリアルであろうが定義は崩れません
頭が下であろうと横であろうと、この場合自分の中心点はどこかを
理解してと云う意味です。基本的に現代武術を指導する場合
このアライメントだけを追って生徒の動作の確認をします。
もちろん細かい動作も必要ですが、重心のアライメントが
保たれているか、いないかこれが最重要であります。
美しいない姿勢というのはこのアライメントが崩れて
いるからなのです、なぜ美しくないか、指導者はしっかり
説明する必要があるでしょう。

アライメントの強化については
やはりコアの筋肉の強化と同様にコア筋肉周辺の
ストレッチをすることです、又割やスプリットは
出来るようにならなければいけません。

(注)
日本の美意識というのは少し違って日本の美はだいたい
七五三のバランスでバランスを崩すところに美があって崇高なもの

鈴木大拙
「禅と日本文化」より

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Chapter 3「動きの無駄をなくす」

「動きの無駄をなくすということ」

現代武術を動きを点でとらえると解釈すればわかりやすいかも
しれません、例えば長拳の動きは全部で48個あります。これが
組み合わさって長拳になります、この一つのピースの難易度が
上がればその型の難易度もあがるのも当然であります。
基本練習ではこのピース(ブロック)を繰り返し練習する
ことによって型の精度をあげます。現代武術は、この
ピースがだいたい1000個ぐらい存在します、それらの
組み合わで色々な型が出来上がるのです、これは現代武術に
限らずあらゆる舞踊、ダンスに共通する点でありましょう。

現代武術に戻りまして、例えば長拳は48個の動きを点で
結びそれを線にしたものが長拳の型であります。
伝統武術の太極拳はこの点という考え方をせずに動きを
線ととらえて、線から面に表現するのですが、伝統武術の
話は省略します。


「長拳」

最初に戻りまして「動きの無駄をなくすということ」

これは完全なポーズからポーズに身体が移行する様であります。
ポーズが完璧な状態で一直線に異なったポーズを完成させなければ
なりません、でないと動きに無駄が発生したことになります。

例えば、AというポーズからBというポーズに移行する場合
Bというポーズに向かう途中に目線が下がれば、これは
一直線に向かっておらず、Cという地点を通ってBのポーズを
完成させたと解釈します、ですの無駄が発生したことになります。
動きに無駄が発生すると動作が美しくないと解釈します。